1.結婚と家と私
私の家づくりは、結婚からはじまりました。
不動産業に従事する夫は、私と籍を入れる前にすでに中古住宅を購入していたので、その家で新婚生活をスタートさせました。
前の持ち主が几帳面な人で、中古とはいえ非常にきれいな状態でしたので、とても快適に日々を過ごしていました。
詳しい人間がいると何も考えなくていいから楽だな、と思っていたのですがその時は突然訪れたのです。
「良い物件があるのだけど、引っ越さない?」
夫の一言に、私は思わず耳を疑いました。なぜなら、まだ2年しか住んでいないうえに妊娠が発覚したばかり。身重の体で引越すなんて、考えられませんでした。しかし、相手はプロ。話はとんとん拍子に進んでいき、気づけばリフォーム会社の打合せの席に座っている自分がいたのです。
2.はじめての家づくり
今回購入する物件は3階建ての小さなビルで、その2~3階部分をリフォームして住むことになりました。リフォームとはいえ、私たちにとってははじめての家づくり。特にこだわりはなかったものの、アイランドキッチンにレインシャワー、床は無垢材と天然石で、と打ち合わせを重ねるごとにどんどん理想が膨らんでいきました。中でも最もこだわったのはサニタリースぺース。浴室はホテルのような非日常空間を楽しみたいと考えていたので、雑誌や写真を参考にしながら完全オリジナルの「私たちらしい」理想の家が完成しました。
3.いざ、入居!
出産から1か月後。家の完成とともに、いよいよ引っ越しの日がやってきました。生後間もない子供を抱えての荷造りは、想像以上に大変でしたが、約3年間お世話になった家に別れを告げ、新居に到着した時の高揚感は今でもはっきりと覚えています。
入居当初は出産と新居のお祝いでたくさんの友人たちが遊びにきてくれたので、私たちの自慢の家は毎日のように賑やかな笑い声で溢れていました。正直はじめはどうなることかと思いましたが、夫を信じ思い切って決断してよかったと今では心から思っています。この家でこれからわが子が成長していく姿を想像すると、楽しみで仕方ありません。
既存のものを生かしながら新しいものと組み合わせて、「自分たちらしさを叶えるリフォーム」という選択肢が、もっと多くの人に広まることを願います。