１．憧れに向かって
私は幸せな家族に憧れていました。
決して不幸せだったわけではなく、愛情を受けて育ったと思っていますが、
嫁姑問題や広すぎる昔ながらの家に苦労する母親を見て育ち、
「自分が家族を持ったら、大きすぎず必要な大きさのコンパクトなマイホーム
が欲しい」そんな風に考えるようになっていました。
20歳で結婚し、26歳で第一子、28歳で第二子を授かりました。
さすがにアパートでは手狭となり、実家で同居生活を開始したのです。
「自分なら嫁姑問題を上手くフォローできるはず。その中でマイホーム資金を
潤沢になるまで貯められる」この時の私はそう考えていました。
２．憧れと現実
ですが、同居生活が長くなるにつれて嫁姑観で子育て・家事論について溝が
深まり、妻より
”もう限界。同居を解消しないなら別れるしかない。別れたいわけじゃない。
同居が本当に無理なの”と告げられました。
当然私も別れたくないので、同居を解消することに。
しかしアパートでの子育ては近所が気になり難しそうだと考えている私に
妻は、
”マイホーム買っちゃおうか”
29歳の私はマイホームを購入することになりました。
３．手に入れたもの
もともと夫婦で家が好きだったこともあり、住宅展示場周りやインテリア
雑誌を眺めながら自分たちの希望を膨らませていたこともあり、購入した
ハウスメーカーの展示場を見た時は二人とも「コレだ！」となりました。
よく家作りを話し合うと喧嘩をするなんて聞きますが、私たち夫婦は改めて
価値観が同じであることを再認識する良い機会となりました。
土地選びでは、
・都会過ぎず田舎過ぎず、静かで星がきれいなところ
・実家への距離が近いこと（子守のお願い、逆に手助けに行きやすい）
・幼稚園・小学校・中学校が近いこと（心配を減らしたかった）
・職場へも近いこと（マイホーム購入前は車通勤で片道1時間だった）
・遠出が好きだったので高速道路のＩＣが近いこと
・山や川が近すぎないこと（昨今異常気象により自然災害が増えている）
・土地代はなるべく抑えて、その分上物には主張をしたい
上記を踏まえていくつかある候補地から今の土地を選びました。
ここでポイントですが、選んだ候補地に朝・昼・晩、晴・雨、平日・休日
など、条件が異なる時に偵察に行くことです。
通勤通学で通りは激し過ぎないか、騒音はどうか、日照状況はどうか、
大雨でマイホームの土地に流れ込まないか、近隣から葉っぱやゴミが飛んで
こないか等、いろんなことを想定しながら観察しましたが、8年住んだ今でも
満足しています。
建物については、
・子供部屋を確保する
・小さいうちは4人で寝れる部屋を確保する
・一般的な2階建ては同じフロアにいないと気配を感じにくいと感じるため、
スキップフロアであること
・物置を庭に置きたくなかったので、屋外用のストッカーがあること
・玄関は小さくていい
・木のぬくもり・風合いを感じられること（展示場が白塗りで可愛かった）
・コンパクトなウッドデッキがあること
・キッチンは目線より高いところに収納棚を設けず、明るさ・開放感を重視
・収納もあえてあまり設けず、収まらない場合は捨てる・買わない
・庭は防草シートを全面に張り、除草時間を極力省く
上記を踏まえて設計しました。
コンパクトに設計したおかげで、掃除の負担も少なく、快適かつ心地よく
過ごすことが出来ています。ウッドデッキは少し高くても良い塗料を買って
3年に一度程度の塗り替えで済むようにしています。（始めは安い塗料でしたが
塗り替え頻度が1～2年で負担が大きく、結局塗料代も高くつきました）
唯一弱点があるとすれば、防災用の備蓄や装備をストックする場所が思った
よりもスペースを取る、スペース確保には頭を悩ますことです。快適さを
失わずスペース確保するためにイマジネーションを働かせますし、不用品
処分も随時必要になりますが、シンプルに生活できているので問題ありません。
注文住宅で満足のいく家を購入する秘訣があるとすれば、
「自分たちの価値観をよく知り、将来を深くイメージすること」だと思います。
あれもこれも欲しくなります。
そうすると値段も高くなり、返済で苦労すると旅行に行けなかったり、遊びに
行きにくくなったり、転職しにくくなったり、”家のせい”で満足感や自由度が
失われてしまう事もあります。
あくまでマイホームは、人生を豊かにする手段の一つだと思います。
私はマイホームを購入して、大好きな家族と思いっきり笑ったり、駆けずり
回ったりできる。好きなものに囲まれて心地よく過ごすことが出来る。学校
や会社で嫌なことがあっても、ホッとできる帰りたい場所・空間がある。
そんなマイホームを購入できて、私はよかったと心の底から思います。
あなたはマイホームで叶えたい価値は見つかりましたか。
見つかるお役に立てれば幸いです。